エンジニアがアウトプットすべき理由


ブログが流行りだして10年以上が経とうとしているのに今更な内容ですが、エンジニアがブログを書く書かないについて再考する機会があったので、書き留めておきたいと思います。

書く人にとってはメリットがわかってるし、書かない人にとってはデメリットを流せるし、ぶっちゃけ好きにすればいいだけではあるのですが・・・



アウトプットとは

”発信”の方がしっくりくるのでどっちも使いますが、ここでは一般的っぽい”アウトプット”としています。私が思いつくアウトプットとは、

  • 技術ブログを書くこと
  • Wikiに手順やバッドノウハウをまとめること
  • Twitterやコミュニケーションツールで短文メッセージを投稿すること
  • 登壇発表すること
  • 講師やメンターとして育成すること
  • 書籍や連載を執筆すること
  • ソースコードを公開またはプルリクすること

  • で、どれも社内/社外どちらでも問わない、といったところです。ただし、社内におけるコード開発は完全に”業務”であるため、ここでいうアウトプットからは除いておこうと思います。


    アウトプットによるメリット

    目的と内容によって異なりますが、思いつくところでは

    [社内]
  • 他者への情報の共有
  • フィードバックを得られる
  • 技術情報の精度向上
  • テキストや口頭での伝達力向上
  • 組織文化によっては活動が評価に繋がる
  • [社外+α]
  • 外部とのコミュニケーション機会を得られる
  • 個人知名度の向上
  • 企業レピュテーションの向上
  • 自社製品のアピール
  • 人事採用力の強化

  • 発信場所が社内でも十分なメリットがありますが、社外にすると(上手くいけば)爆発的に効果が増えます。とはいえ、社外への発信は情報内容の吟味が必要なので、難しいところでもあります。


    アウトプットによるデメリット

    アウトプットによる、またはアウトプットすること自体のデメリット、大変なコトもありますよと。

  • 発信する場の確保
  • 発信内容の作成に時間が掛かる
  • 明確な効果を短期的に感じることが難しい
  • 継続する意志が必要
  • 炎上リスクを回避するための精査
  • フィードバック・マサカリの対応
  • ウケたウケなかったによる精神状態の起伏
  • 発信方法によっては退職すると成果が本人に帰属しない

  • 総じて気力・体力がいる、というのがポイントですが、これらは直感でわかってしまい、メリットより強く感じてしまうのが始められない理由の1つかもしれません。


    集団としてアウトプットする理由

    発信する目的は様々あるでしょうが、組織に属する形で発信するものは目的が明確です。

    自社サービスのアップデートや使い方を公開することで、より多くの人に便利に使ってもらい、ひいては売上に繋げるために。

    社内で使っている技術を公開することで、どのようなエンジニアが居てどのような取り組みをしているかを知ってもらい、採用力に結びつけるために。

    なかなか発信している当人達には成果として感じづらいところではありますが、地道に丁寧な内容で積み上げられたブログなどを見ると、やはりそのサービスや組織の印象が残っているもので、たいした取り組みをしていない組織に比べると天地ほどの差があることは間違いありません。

    私としては、集団のうちの一人になると更新頻度向上を他人に甘えたり、業務の一つとして明確化されるとアウトプットする気が薄れるので、複数人で継続更新できているブログなどはホントに関心して見てしまいます。


    個人としてアウトプットする理由

    これは個々人様々でしょうからなんとも言えませんが、ここのブログは個人として公開しているので、私が始めて継続している理由でも書いてみます。

    そもそもかなり昔から、イントラのメーリングリストやブログやWikiに、くだらないことから真面目なことまで垂れ流してきた下地がありました。それまでは、インターネットから情報を得るだけ得ておきながら、自分の情報を公開することは(会社にとって?)不利になるのではないかと漠然と考えていました。しかしある時期に何かが心の中で飽和して、自分の持つ情報でも公開した方が何かしらプラスに働くのではないかと考え、公開ブログを始めてみることにしました。

    そして古臭い情報をいくつか公開した後に、FluentdやHadoopあたりを触りだした頃から周りにチョッカイだされ始め──というか、Fluentdんとこをアップした時に、垂涎のモリス(@tagomoris)こいこい……よし!釣れたーッ!!って普通に言ってた気がしますが、形はどうあれ多数の方に見てもらえるようになったのはとても嬉しいことでした。

    漠然と始めたブログですが、今改めて継続している理由を振り返ってみると

  • 自分の技術メモを残す場
  • 社会貢献というか同業者含むインターネットとのギブアンドテイク
  • リツイートふぁぼホッテントリいいね!気持ちイイィィ!
  • 会社の人事採用力に影響できてれば儲けモン
  • 転職活動の時に役立てばいいナ

  • このくらいですかね。

    自分にとって圧倒的にプラスなのは、情報の質が向上することです。公開した情報がちょっとでも間違ってたら、モヒカン共が重箱の隅にマサカリぶん投げてくる──というイメージでやってるので、なんか自信のないことを書き始めると危機感を覚え、調べなおして絶対自信のある精度に仕上げ直すか、もしくは少なくとも間違ったことは言ってないように手直しするわけです。

    あまり恥ずかしいこと役に立たないことは出したくないという思いから、ギブアップ記事とかほぼ最後まで書いたのに公開直前で、『いや、違うアプローチならイケるかもしれん!』と思い直し、それなりの形まで持っていって書きなおすこともあります。

    こういった効果は、他人に見られない状態では間違いなく起きないので、イマイチな情報を書いては思いとどまって再検証するたびに、やっててよかったと思います。


    表記名

    ちょっと話を変えまして、表で活動する上で気にかかるのが、名前の表記を本名にするかハンドルネームにするかです。

    組織の方針もあるので勝手な判断はよくないですが、私見としては、個々人が好きな名前を使ってドンドン表に出ればよくて、それによってヘッドハンティングされて出てくようなら、そう遠くないうちに出てくだろうからどうでもいいし、HNの方が覚えられやすく親しみやすくていいと思っています。

    転職のことを考えるなら本名プレイの方が有利な場合が多い気はしますが、そこまで気を張って構えるところではないんじゃないかな、と。
    (……まぁ人事が難しくて気を使うところなのは理解しますけども、ね)

    エンジニアとしては、常識的な範囲の表記名にし、いつでもどこにでも転職できるようにするつもりで実力を磨きつつ、アピールも兼ねてアウトプットを出してけばよいのではないでしょうか。

    【外道父】が常識的かはわかりませんが、”外道父”と伝えた時に、このブログの人と思い浮かべてもらえるようになっていれば十分役目は果たせています。そしていつか外道爺に昇格もできるかもしれないので私は気に入っています。



    やればわかるさ!

    そんなわけで、アウトプットを社外、少なくとも社内にするよう勧めるわけですが、誰にでも言うわけではありません。そもそも性格や文章力などから、どーーーやっても書けない人は書けないし、継続できない人は継続できないんですよ。なので、それなりにイケそうな人に、役に立つから書いたほうがイイよと言う程度にしています。

    こういうアウトプットって、たいていは外発的要因で出すことになっても良い内容を出すのは難しくて、内発的じゃないと質も継続力も向上しないと思うのですね。最初のひと押しくらいはしますが、その後に放っておいて続けば伸びる可能性が高まり、ダメならダメで適性がないということで、無理強いしてもマイナスなだけかな、と。それでも閉鎖的になっても何も良いことはないので、社内で小さいことから始めるなり、集団の中で更新するなり、少しずつ取り組んでいくべきとは思っています。


    発信は手段であって、目的ではない。勧める理由、発信する目的と得られるものを明確にして勧めるといいかもしれない。と言われたことがありますが、個人で発信することに明確な目的って正直無いんですよね。情報精度を上げるためだけなら意識的にできなくもないし、承認欲求を満たすこと自体は目的じゃないし、成果が明確じゃないから評価に即座に繋がるわけでもない。上記であげたもろもろメリットを享受できるかなんてわからないどころか、デメリットだけで終わるかもしれません。

    ただひとつ確実に言えるのは、通常業務以外は何もしない状態と、意識的にアウトプットしている状態とでは、得られ続けるモノの範囲が段違いということです。そして得られるモノは何かと問われれば、上記であげたメリット群が可能性としてあるけども、自身の性格や、社会というデカすぎる閲覧者を相手に、どうすればよりよい内容を発信でき、よりよい反応をもらえ、どこにどのような影響を与えられるようになるのか、ということを少しずつ試行錯誤と改良を継続することでしか、本当の成果はわからない、と考えます。

    例えば、このブログをキッカケにウチに入社を考えてくれた人もいるのですが、そういう副産物は長期継続しないと発生しないし、伝え聞かないと認識できないんですよね……。ただそれを認識できると、さらにそういう方面の内容を考えて書こうとするキッカケにもなるので、開始当初は考えてもいなかった意識高い系を書いてみたり、その思考が実務や育児に役立っていると感じています。


    なので、発信を継続する意味や目的なんて自分の中で適当に納得できてればよくて、やってること自体に意味がある、と体感できてればよいのだと思います。強いて言うなら、”発信を始めて継続すること”が最重要であり、成果は自ずと理解るであろう。とかザ・厨二な説明をすることになりそうです。

    たまに、忙しくて時間がないとか、ネタがないとか言っちゃう人がいますけど、月にたった数時間を確保することができないわけないし、月に8時間を22日以上仕事している大人にネタが何もないはずありません。

    やればわかるさ!など非常に無責任な勧め方なのは重々承知ですが、何を得られるかわからない・面倒くさいと止まるよりは、かつてない何かを得られるかもしれない、と踏み出すことが大きな成長に繋がるのである! …… …… と、いいですよね!!

    エンジニアがアウトプットすべき理由 への8件のコメント

    1. 匿名 より:

      ITエンジニアのことをエンジニアって略すのやめようぜ。

      • 外道父 より:

        早速、とても良い例として重箱の隅を突っついていただき、ありがとうございます。

        ITをつけるかどうかは内容によってはいつも迷うところですが、
        今回の話の本質は、ITが付こうと付かなかろうと関係ありませんので、
        特に深く考える必要のないところと私は考えます。

        • hiroyuki213 より:

          そう言えばITエンジニアの技術ブログはよく見かけるけど、他の業界のエンジニアのブログって見たことないけど、知らないだけなんだろうか。

    2. ピンバック: エンジニアがアウトプットすべき理由 | 外道父の匠 | ブログハッカー™ 2chまとめブログアンテナ

    3. 匿名 より:

      内容が面白いです。勉強になりました。
      私が日本語が弱いのでいけないのですが、「やればわかるさ」の部分を分類していただけるとさらにわかりやすいと思います。

    4. 匿名 より:

      「やればわかるさ!」

      いい言葉ですね。

      ややもするとロジカルな考えだけで人、組織を動かしていける、と考えがちなこの業界にあって、こういった人間味のある言葉は新鮮でハッとさせられます。

    5. ピンバック: エンジニアが初めて書籍を執筆するにあたって | 外道父の匠

    6. ピンバック: 2017年の書き初め - AquaPress

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