息子が小学校を卒業したので、今までどんな本を買ってあげたかな~と本棚を振り返ってみました。
最近は子ども向けの良書が多すぎて、羨ましい時代でございます。※以下、各リンクは可能な限り公式にしてあり、少なくともアフィではありません。
幼少期
幼児~年中あたりまでは、ひたすら本を読んであげていました。同じ本を何度も何度も……『はらぺこあおむし』などは幾度もテープで修復しつつも最後はほぼバラバラになって、引っ越しのタイミングでさようならしました。幼少期に読んであげる本はぶっちゃけなんでもよいと思っています。最も重要なのは朗読終了後に反復を要求された時に、表面上は一切嫌がらず、それこそ機械的にしかし感情を込めて朗読してあげることです。上手に読むほど反復要求が強くなるジレンマがありますが、読んだ回数がそのまま読書好きになると思えば、安い……モノ……。
選ぶ本は、選ぶ意思が出てきたら本屋で本人がピンときた絵柄で選ばせればいいと思いますが、それまでは絵が可愛らしく、かつリズムやノリが面白みのある絵本が、読む側としてもオススメです。
幼児向けはもうほとんど捨ててしまったので忘れかけですが、『だるまさん』シリーズは特にウケが良かったように思います。元々よく笑う子だったのもあり、「ドテッ」の部分だけで数十回は往復させられた気がします。
転換期
いつまでも読んであげるだけでは読書をできる子にならないので、というか朗読の苦労から開放されるために、6歳前後で徐々に突き放していきます。私の場合は、ある日に読んでと頼まれた時に、「もう、自分で本を読めるはずだよ?ひとりで読んでみな?」と促したところ、ジーッと見つめたり声を出したりして、「読めた!」とやってくるので、あとは褒めちぎるだけの簡単なお仕事です。
そうなれば、ひとりで読んでいるところを横で見守りつつ、たまに引っかかる箇所があれば補助してあげたり、補助を嫌がるようになったら聞かれるまで放っておく、みたいな流れで立派な読書家になりました。
私が子どもの頃は特に親に勧められたりってのがなく、マンガ以外を読めとなった時はほぼ選択肢が活字だけの本になり、娯楽と活字の間の経験をしづらかったように思いますが、今はいくらでも選択肢があるのでイィ感じに段階を踏ませてあげることができます。
本ってせいぜい 800~1500円 くらいで、100冊買っても10万円とかなわけで、自身の意思で読める子どもへの投資としてはめちゃくちゃコスパが良い取り組みだと思います。
なので、本屋に連れて行った時のルールとして【読み切るなら何でも買ってあげる】とし、時に2万円近く買わされる時もありましたが、約束通りほぼ読み切って過ごしてきました。まれに口に合わない感じで読み切りませんでしたが、それはそれで読んだ部分の感想とともに、思った感じじゃなかったと伝えてくれるので、特に咎めることもありませんでした。
低学年向け
以降は実際に家にある書籍の一部や思い出した書籍を、適当に低中高学年に分けて紹介していきます。おしりたんてい
『おしりたんてい』は発売当初から面白かったですが、まさかアニメ化や映画化までするとは思いませんでした。大判の絵本とアニメ本は幼少期から入りやすく、メインと思われる「よみもの」シリーズは楽しく読み切るのにオススメです。コロコロレベルにウンコが出たりはしませんが、オナラっぽい鼻息?やウンコっぽいキャラは頻発するので、小学生に刺さることは必然です。関係ないですがウンコと言えば『うんこ漢字ドリル』もかなり売れたみたいですね。
あと派生として『おしりダンディ ザ・ヤング』も父ちゃんがイィ感じです。
アニメや映画になったあたりからメインシリーズの続編が出なくなっていますが、コンテンツ量としては楽しむに十分なモノがあります。
ボノロン
『森の戦士ボノロン』のフリーマガジン『ポラメル』は、セブンイレブンやデニーズで偶数月15日に無料配布される絵本です。どっちかといえば幼児への読み聞かせ用かな。幼少期から数年間、子どもと一緒に集めていたので数十冊あり、ある意味、子どもにとって初の定期購読的な読みものとなりました。
プロデュースに原哲夫とオッサンにはそれだけで刺さるものがあり、内容が良いのはモチロンのこと、最後のページにはおまけコーナーがあり、デニーズの待ち時間に重宝したものです。
フリーマガジンは基本入手不可でオークションに出てたりはしますが、一応普通に書籍にもなっています。ただフリマガ派として穴埋めのために購入を試みると1冊1話しか入っていないのが残念で、コスパが悪く感じてしまうので、もう少し話数をまとめて1冊にして欲しく思いました。
かいけつゾロリ
『かいけつゾロリ』は説明不要なレベルで小学生に浸透している書籍だと思います。学校の図書室にあるけど、だいたい借りれなくて、欲しくなるみたいな流れ。内容もさることながら長く続いているだけあって、本にオマケがついていたり、裏表紙に仕掛けがあったり、色んな工夫で隅々まで楽しませにきてくれます。ただ、冊数が多くて家に全部置くにはちと厳しいのが難点。
派生の『イシシとノシシのスッポコペッポコへんてこ話』シリーズもよく、私はこのイノシシコンビが好きです。
コんガらガっち
『コんガらガっち』は『ピタゴラスイッチ』の制作グループによる作品で、ちょっとした選択迷路で遊びつつ軽く読み進められるので、飲食店に置いてあると待ち時間で非常に重宝する代物です。かわいいキャラがシュールギャグしていく感じで、構成も面白いので、字を読ませるばかりでなく、こういうのも混ぜていく方が、柔軟な頭になりそうでよろしいっち?
ヨシタケシンスケ
作者名である『ヨシタケシンスケ』は、ほとんどの作品がオススメです。小さい本が幼児向け、大判が小学生向けって感じで、それ以外にもより哲学気味なものや、挿絵だけ担当した本も多いです。内容の多くは感情や疑問を持つ姿勢を見せる体で、子どもにも自身で考えるクセをつけて欲しいって感じになっていて、普段は使わないような思考を促してくれるし、そのレベル感も幼少期から高学年まで色々揃っているので、かなり信頼度高く手にとることができます。
みやにし たつや/宮西 達也
こちらも作者名で『みやにし たつや』が幼少期向け、『宮西 達也』が小学生向けって感じです。作品が多すぎてオススメが難しいところですが、全体的に絵柄が特徴的なわりにとっつきやすく、特に恐竜やカブトムシ武者が出てくる本は、男子に刺さりやすいこと間違いなしです。
町の図書館にもよくあるので、ひたすら作者名で検索して読み漁っていくと、様々なタイプのお話が読めて楽しいです。
ほねほねザウルス
『ほねほねザウルス』は完全にマンガです。玩具にもなっているので遊びっちゃ遊びですが、本を読む上でマンガもガンガン読んでいくべきだと思っているので、マンガ入門的にコマ割りタイプも楽しめるようにってところです。物語はかわいらしい骨キャラが仲間と進んでいくタイプの健全な冒険なので、コロコロみたいに下品寄りではないし、ジャンプなどの少年・青年雑誌みたいに軽いエログロすらない、感じなのでマンガ初手としてオススメです。
ようかいとりものちょう
『ようかいとりものちょう』もマンガです。ほねほねザウルスよりも少しだけ高めの年齢設定っぽい感じはあります。和風寄りなのでまぁまぁ漢字とかぶっ込んでくるけど、楽しければそういう漢字もすぐ覚えるし、物語も長めかつ知った名前もよく出てくるので、続きを楽しむコンテンツとして良いです。
中学年向け
中学年からは知識系に興味がでてきます。ざんねんないきもの辞典
『ざんねんないきもの辞典』は生物の意外な雑学ですが、こういう【○○な●●辞典/図鑑 】というタイプの本がもの凄く増えました。そのうちの、最初に流行ったのがこの本だと認識しています。おそらく書店にいけば、それっぽい類似コーナーがあることでしょう。単純に雑学知識が豊富で読んでいて面白いのと、その知識を親に披露したりって点で会話のネタにもなってよいです。最初は各ページの大項目しか読まなかったりしますが、細かい説明に本当の面白みがあるのがわかるとキッチリ読み込むようになるので、じわじわ長く楽しむのにも適しています。
おばけずかん
『おばけずかん』シリーズはほーんの少しだけ怖い系なので中学年に入れましたが、本の雰囲気はゾロリと同じような系統です。中学年くらいになると何故か怖いもの見たさみたいのが強まってくるので、こういうライトなものをキッカケに徐々に上位に手を出していったりします。
小学生おもしろ学習シリーズ
『小学生おもしろ学習シリーズ』は様々なジャンルの知識系です。ウチだと特にことわざを完全熟読していましたが、好きなジャンルを伸ばしたり苦手を克服したり、なんでもいいので1冊ガツンと読み込むってのができれば、本人が選んだものならなんでもいい気がします。
マンガでわかる10歳までに
『マンガでわかる!10才までに』シリーズはほどほどに簡単な内容のクイズがいっぱいって感じのが多いです。遊びでもとにかく頭を動かす、みたいな初手としてはマンガで進めやすくイィ感じです。
東大教授がおしえる やばい日本史・世界史
『東大教授がおしえる やばい日本史・世界史』もざんねんないきもの系統の派生な感じではありますが、歴史にライトに取っ付くって意味ではほどよいです。読書好きは歴史に興味を持ちやすかったりするので、刺さる子には刺さる一品ってところでしょうか。
中学入試対応 ツッコミ!理科
『中学入試対応 ツッコミ!理科』は名前に中学入試と入っていますが、普通に読みものとしてよいです。子どもは間違った発言などには訂正しようと敏感に反応するので、それを利用した勉強方法って感じでしょうか。全然堅い内容じゃないので、理科力をほぐす気持ちで読んでみるのがよさげです。
ネコ博士が語る 科学のふしぎ
『ネコ博士が語る 科学のふしぎ』は見た目はライトですが、内容はわりとガチンコ寄りの科学です。子どもは世の中の理というか、どういう風にできているかの理屈を知りたくなる時期があるので、深くは理解できなくとも、どういう要素が世界を構成しているかのイメージを掴むところから始めるには良い1冊です。
高学年向け
ほぼ大人よりなので、読ませがい・選ばせがいが出てきます。学校では教えてくれない大切なこと
『学校では教えてくれない大切なこと』はマンガ形式で様々な生活の考え方や知識を教えてくれます。タイトル通り、学校や親ですら話さないようなテーマが多いけど内容はわりと良いことが書いてあるので、なんなら全部読んだらいいくらいです(※一部、男子/女子専用みたいなテーマもありますが)。
お金・時間・整理などは親がくどくど言うより、本で読んだほうが実践する子も多いかもしれませんし、私自身が小さい頃にこういう本があったらなと本気で思ったシリーズです。
アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの
『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの』シリーズは数学・科学・プログラミング・世界史があり、内容はそれなりにガチンコです。受験勉強をしていると本来小学生ではやらない、方程式まがい・平方根まがいの話が出てきたりして、より先の知識欲が出てくることがあります。
小学生高学年で先取り欲が出てきたら、このシリーズを読むと、理解できる部分とできない部分がでて、学ぶ楽しさと未熟さを実感できて良い刺激になると思います。
孫子の兵法
『14歳からの「孫子の兵法」』や『決定版 孫子の兵法がマンガで3時間でマスターできる本』など。内容は孫氏ですがマンガなので読みやすく、高学年から徐々に読む本のジャンルやレベル感を上げていく一歩になるかなってところです。
こういう名前は聞いたことはあるけど知らない知識って、浅くでも知っておくと安心感とともに底上げになるのでいいですよね。今回は書き出しませんが、そういう意味では典型的な文学作品もとりあえずで手を付けても良いものです。
もやもやラボ
『もやもやラボ』は性的な真面目な話です。小4あたりから学校で保健体育的な学習で、昔より突っ込んだ内容を取り入れてくるので、よくわからない状態で真剣に親に質問してきたりします。
それはそれで可能な範囲で答えるけども、この本はほどよい内容を書いてくれているので、コレ読んでみなよと渡すだけで結構、子どもの中で整理がつくと思われる良書です。
浦野真彦ハンドブック
『浦野真彦ハンドブック』は詰将棋の良書で、将棋を覚えて好きになったけど、さらに先へ進みたいって時の一品です。対戦してあげる時間がないときでも一人で取り組めるし、頭もこねくり回せるしで、色んな意味でグッドです。
宇宙一わかりやすい高校シリーズ
『宇宙一わかりやすい高校○○シリーズ』は思いっきり高校の理科のシリーズですが、挿絵が可愛く説明も見やすいので、シンプルに良書です。普通に勉強なので読み切るのは大変ですが、サラッと眺めるだけでも知識欲が満たされるというか、その先の将来の勉強の難易度を認識できるので、積読気味でも置いてあって損はない代物です。
本の入手元
子どもが本に触れたり欲しがる機会はいくつかありますが、基本的には大きな書店に連れて行くことが多いです。図書館を利用することもありましたが、図書館はこれぞという本を見つけづらく、ある程度シリーズや作者名を掴んでおかないと効率的な利用ができない感じがあります。本屋に解き放って気になった本を立ち読みしまくり、帰り際にこれぞという本を購入するか、学校の図書室で気になった本や借りられなかった本を買ってほしいと言ってきたり、ってところですが、数冊程度なら即買いするものの、モノによっては数十冊でてるシリーズものだったりするわけです。
そういう場合は、オークションやフリマ系のサービスを利用して、安価にまとめ買いし、抜けがあったら新品で買い足す感じです。
小さい頃は意識的に本屋で購入していましたが、大きくなって理解が深まってからはスピード重視でAmazonで即買いもするようになり、それでも数ヶ月に1度は本屋に連れて行って好きなだけ選ばせるってのは継続しています。やはり目の前にズラリと並んでいると、その時限りの新しい発見がありますからね。
本の選定
私が子に勧める場合は、必ず中身をザッと読んだ上で勧めますが、何より重視しているのは【読みやすさ】です。挿絵の割合や、文字の大きさ、内容の難易度と理解しやすさ、あたりを踏まえて総合的に判断します。どれだけ内容がよくても、継続して読みきれそうにない雰囲気の本は即、棚に戻します。これは普段用の本だろうと、受験勉強用の参考書だろうと同様です。できるだけ楽しく、できるだけ読み切れる、のが大切だと思っています。
堅すぎる構成や、萌え絵すぎる表紙もほぼ即止めになります。手にとりやすさ、興味のそそられやすさ、はだいたい表紙と目次に現れるもので、逆に言うと多少難しめの内容でも表紙から内容まで取っ付きやすければ、意外と読めてしまうってことで、子どものレベル感に合わせて少し上を選んだりするのが楽しいです。
こんなコトを書いておきながら私自身の持つ本はほとんどがマンガで、一人暮らしの時は最大で4~5000冊あったものが今では徐々に減らしたり、文庫版に買い直して、本棚にキレイに収まる程度になりました。
そんな中で残った名作マンガ達も、ほぼ全て子どもに読破され、受験勉強の国語の文章すら興味深く読んで報告してくるくらいの読書家になりました。完全理系な自分とは大違いであります。
まぁどんな文字でも読んで読んで読みまくって、その先に仕事としてのインプット/アウトプットに繋がると思うので、幼少期の朗読から継続的に取り組んだり、家にマンガを置きまくったりしておいて良かったなと思う次第です:-)