EC2 C7g インスタンスが発表されましたので、去年やった AWS Graviton2 新CPUの性能検証 の続編です。
時間が取れなくて出遅れ気味になりましたが、ほぼ自動化しておいたので、概ねピピッとするだけで済みました。
インスタンスの基本情報
まずは今回の比較対象を整理します。まだ東京にないので、価格はオレゴン(us-west-2)リージョンです。
Type | Ondemand $/h | Spot $/h | vCPUs | Memory | Network |
c7g.large | 0.0725 | 0.0355 | 2 | 4 | 最大12500メガビット |
c6g.large | 0.0680 | 0.0338 | 2 | 4 | 最大10ギガビット |
c5.large | 0.0850 | 0.0326 | 2 | 4 | 最大10ギガビット |
試験結果
前回 の結果に c7g を追記して少々整理しました。比較結果を抜粋しておくとこんな感じ。
検証結果
Phoronix のテスト結果は、全タイプで迅速&正常に結果を出せたもののみリストにしているので、76個と少ないですが、参考値としてはまぁ大丈夫そうということにして。CPU性能
公式では C6g と比較して 25% 向上とありましたが、今回の結果では総合的には 44% ほどの向上という結果に。また、C5 → C6g の時には得意不得意がハッキリしていましたが、傾向としてはそれを引き継ぐ形であるものの、得意はより速く、不得意もより良くなっているようです。
コストパフォーマンス
公式の数値だと性能×費用で C6g と比べて 16%UP今回の結果を使うと、34%UP
となり、十分な期待値と言えそうです。
まとめ
良い点としてはコスパだけでなく、処理時間の短縮により、システムとしての品質向上も見込めることです。GravitonシリーズならArmイメージのまま変更できるのも良いですし、電力抑制も向上したようなので地球に優しいなど。気をつけたい点としては、C6g の時と同じく、一部処理はまだ遅い可能性があるので、エンコードなど特定の処理だけやらせる場合は比較検討した方が無難です。
総合的には良好な感触で、新規システムなら最初から採用してよさげだし、既存システムは変更の手間に値する品質だと思います。あとは最初数ヶ月はスポットの雰囲気に注意したり、出たばかりなので SavingsPlans を検討しやすいとか。
システムを長いこと運用していると古い世代のままにしがちですが、2~3年スパンでこのくらいの向上を期待できるとなると、ストレス少なくタイプの変更に強い仕組みづくりを心がけることも、インフラ整備の重要な要素と言えるでしょう:-)