エンジニアは寛容かつ建設的でありたい

前回の記事でイィ感じの燃え方してイラつきはしたけど、ちゃんと調べず適当に公開したのはマズかったし、どっちみちそれまで理解が浅かったのは事実で認識してたので、それはもういいんです。

それよりもなんで、昨今はこんなにクソコメが蔓延るようになったんやろって考えてみたくなりました。エンジニアに限らず、ジャンル問わず社会的な話でもあるのですが。



社会的な風潮

要は『叩く』という行為が流行を通り越して当然になってる風潮ですね。

エンジニア関連でも、昔から技術系掲示板では、そんなことも知らんのかい!とツンツンしながらも教えてあげる文化みたいなものはありましたが、そういう『限定的な場』に自分から踏み入れない限りは、エンジニア同士の交流の多くは所属や個人サイトが判明している人だったりして、誤りや改善点があれば、スマートに指摘して、素直に受け入れる、ような流れが多かったように思います。

SNSが流行りだしてからは、有名所や母数の大きいネタ記事が、バズりやすい場に出現した時、こぞって『公の場』に集合し、集団に紛れてアレヤコレヤと好き勝手言いたい放題するみっともない風潮が定着してしまいました。


私自身は他所様を叩くという行為をしないので、どうしてそうなってしまうのか、ってのは正直理解できませんが、

  • ストレスが溜まりやすい社会になったから?
  • 人生に不平不満がある状態?
  • インターネットとサービスの普及により人数が増えたから?
  • ITリテラシーが高まりすぎてレベルが底上げされたから?
  • 自分の存在価値を表現する場を求めて?
とかですかわかりません!まぁ他人に干渉しようもないので、死ぬまでやってようがどうでもいい類のものですが、それでもやはり、この流れは早く廃れて欲しいってのはあります。

特にエンジニアという人種は、無駄が嫌いで効率が好きなはずで、他所を罵倒するだけの価値のない表現は見ていると悲しくなるからです。社会的には例えしょうがなくとも、エンジニアだけでもそういうの止めて、寛容で建設的に過ごしませんか?って思います。


アウトプットの弊害

私はエンジニアのアウトプット推進派で(参考:エンジニアがアウトプットすべき理由、やらない理由に書くネタがないというものを多く見かけますが、潜在的には炎上リスクを嫌っているのではないかと思います。


どんなアウトプットも、それなりのエネルギーを注ぎ込んでいるはずで、十分なメリットもあるのですが、それに反して炎上したときの消費エネルギーは正直膨大で、ただのクソコメとわかっていてもダメージを喰らうんですよ。

批判されたというよりは、なんか気持ち悪い絡みされた、という感触のほうが強い感じです。それなりにイラつくし、人によっては怖いと感じるかもしれません。多くのエンジニアにアウトプットしてほしいと思っているので、繰り返しになりますがこれは無駄で弊害でしかありません。

叩く側からすればアウトプット側はサンドバッグに見えているのでしょうが、アウトプット側からみると、どこの馬の骨ともしれないネット弁慶でしかなく。

なので、皆がアウトプットすればいいと思うんですよ。そうすれば、自己表現の場が得られるし、大変さを認識すれば叩こうなんて意識は消し飛んで、どうしてそういう状態なのか、どうすればいいのか、と寛容かつ建設的に考えて発言するようになり、皆ハッピーになります。反吐が出そうなくらいの理想論ですけどね。


プロという概念

少し話の視点を変えて、世の中には『プロ』という概念、仕組みがあります。野球や将棋、最近ではゲーマーなどがそうです。その道の技術的な専門家、高い技術を要する人物であり、その技術で直接的に貢献するだけではなく、その業界・業種を盛り上げるという責務があったりします。

何かモノを教えたり、見守る上の立場になった時、罵倒したり自分は知ってるアピールするのって、クソの役にも立たない以下のマイナスな行為であることを理解できます。これは大人に対しても、子どもに対しても同じです。言われた側は、解決方法は不明なまま嫌な気持ちだけが残るし、言った側は、相手に何も貢献できず、おそらく自分のストレスが発散されただけ、という無惨な結果に。

しかしエンジニアにはプロという概念はありません。報酬を得て仕事をする以上、『プロ意識』はあるでしょうが、社会に対する意識は少ないでしょう。だからどれだけ博識でも他人に攻撃的になったり、他人の場を荒らすことに疑問を抱けない人が現れます。

ITの技術は幅が広く、また深いです。どんなフルスタックエンジニアも、不得意分野や手つかずの知識があるわけで、それに立ち向かいつつも未熟な状態に対して揶揄するってのは、下品でしかないです。

まぁ私のようにド素人状態から独学で20年エンジニアをやって、10年以上ブログを続けているようなところは、多少は叩かれてもしゃーないって気持ちもあるし、逆に長くやってりゃそんなこともあるって程度で済ませられるんですよ。

でも、新しいサイトや取り組み、新卒からそう時間も経ってないようなアウトプットに対して、イキリ散らすのはさすがに違うんじゃないかと言いたいです。

より多くの人間が関わっただろう技術ほど炎上しやすいですが、「俺ならできる・知ってる」から「お前はクソだ」のようなムーヴは、真のプロの姿とは真逆にあります。

プロフェッショナルなエンジニアを目指すなら、ピンポイントな技術や知識を重要視しつつも、それ自体で攻撃的にならない・憂さ晴らしをしない、という対外的な言動・態度も含むと考えるので、自戒を込め注意していきたいと思います。それだけの魔力がSNSにはある。


自制心と共栄

ゆーても技術的な話で炎上しても、社会的な悪さをしたわけでもあるまいし、未熟でした精進しましょうで終わる話です。なので気にせずガンガン継続してアウトプットしていきましょうといったところ。

ただ問題というか課題もあって、何かが足りないアウトプットに対して、ではそれを放置した方がいいかというと、そういうわけでもなく。要は伝え方・関わり方のバランスの話に落ち着くだけでもあります。

褒めるのは良いし、事実を指摘したり、ソースや改善案を示すのも良い。ただ攻撃的になる必要はないという、それだけの話なんですが、情報に触れていると、突然ピクンと食指が動いたり、承認欲求が活発になる瞬間ってのがあり。おそらく、そこで自制できて冷静に物事を見れるか考えられるか、で態度に大きく違いがでるんじゃないかと思います。


ただ私の経歴上では幸いなことに、内外含めて、そういう危なっかしいエンジニアに関わったことってほぼなくて、むしろ「こやつデキるっ…」って感じる人が多かったので、どこにそんな人物が存在するねんって思いもあります。

イキリコメントするということは普通以上にデキる実力と自信があるはずで、なのにネット弁慶でした!とか、想像しづらい。とはいえネット上には実在するので、1人でも多くその不寛容で非建設的な行為に気づいて──

願わくば、皆がどのような場でも、成長を促したり、共に高め合うような関係性を築いていけたらと、いう感じで延焼戦を締めくくりたいと思います:-)